2017年04月23日

41課 【もの編】「いただく」「くださる」「やる」

学習者の習得レベルとでも言いますか、いわゆる「良くできる・理解が早い」クラスで授業する時と、「あまりできない・反応が遅い」クラスで授業する時に、同じ内容のことをしてもダメだと思うのです。

良くできる人が多いクラスなら、いろいろな練習や応用、内容についての説明も多くしたほうがいいのはもちろんです。むしろ、単調な練習だけでは飽きてしまって「この先生の授業だるいわあ」という空気になってしまいかねません。
反対にあまりできない人が多いクラスの場合に、いろんな内容を詰め込んでしまうと「この先生の授業全然わからんわあ」と投げてしまうでしょう。いさぎよく、「今日の目標はここだ!」と自分なりに設定して、それができるようになればOK!としてもいいのではないでしょうか。その人達にとって、ちょっとだけ難しいレベルにゴールを設定すれば、達成感も得られるし、こちらとしても「やったぜ!」という気持ちになります。

今、担当している初級クラスは少し「できない」クラスにあたります。
でも、決して怠けているとかではないのです。授業中にメモだってする(人もいる)し、一生懸命発話しようとするし、前向きに練習にも取り組みます。
けれど、できないんです・・・。定着しないんです。
私にも覚えがあるからわかります。ずばり、真面目だけれど、語学センスがあまりなく、そして自宅学習が足りないに違いないのです。
たぶん、時間がない+効果的な自宅学習のやり方を知らないんだろうなあと思います。(私も教えて欲しい)

ようやく本題に・・・
41課1回めです。

いつもならば、物を実際にやり取りさせて、「あげるもらうくれる」を復習してから、人物関係を変えて「いただくくださるやる」を練習させる、という方法をとるのですが、そもそも「もらう・くれる」があやしい人達です。物をやり取りをさせてみたら、より混乱していました。

そこで、いつもなら絶対にやらない「教科書だけで練習」をしました。
練習B1とB2は同じ絵を使って「いただく」と「くださる」を練習させる問題です。

それで「同じ絵だよ!どちらも(もらうのは)私だよ!これはプレゼントだよ!私の誕生日だから私はあげませんよ!(←※これ重要。誕生日にお菓子などを友達にあげる習慣がある人もいるので)」という内容を何度も何度も刷り込んで、
「<に>いただきました(ます)」「<に>もらいました(ます)」
「<が>くださいました(ます)」「<が>くれました(ます)」
と、とりあえずセットで覚えるまで練習。

日本人は「わたし」なんか言わないんだ!だから省略だ!
練習Aも省略だ!大事なのは「わたしは」か「わたしに」じゃなくて、「〇〇が」か「〇〇に」なんだから、そこだけチェックしといてね!と、いつもなら言わない大胆な説明をしてみました。

それから、「私のグループ」か「私のグループでない」か(祖父・祖母などが新出語)、「上(目上)」か「下(目下)」か「同じレベル(友達・彼女など)」かを少しずつ練習に加えていきまました。

覚える(理解する)ポイントを絞ったおかげか、最後には
「先生がくださった辞書」とか「課長にいただいたんです」なども言えるようになり、
私とやり取りしたあとで、「いい〇〇ですね」「穂村先生にいただいたんです」と学習者同士で言えるようになっていました。

学習者も、初めは「めんどくさい」「難しい」とぶちぶち文句を言っていましたが、
①「が」「に」とセットで動詞を覚える
②人がどんなレベルかで、動詞を変える
ということがわかると、楽しくなったようで、最終的にはあの難しい標準問題集の問題も、皆で考えればできるようになっていました。

思い切って教える内容を絞るっていうのも、大切なんだなあと気づかされた一件でした。

次は【行為編】「ていただく」「てくださる」「てやる」だなあ。
皆さん、がんばってね!私は授業に入らないからね!(非常勤だからね!)

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posted by 穂村香 at 00:16
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