2016年06月08日

違いの説明(あいだ・あいだに・うちに)

たぶん既述したと思うのですが、4月から新しい学校でお世話になっていて、その学校ではみん日が終わったら『中級へ行こう』を使って指導されています。

その『中級へ行こう』も佳境に入っているクラスで、今日は復習の時間を担当しました。
復習の時間というのは、学習者が忘れているところを「もう一度説明してください」と言われることが想定されるので、全部の項目を理解していないといけないのですよね。予習量も増えるので、準備は大変です。

しかし、さすがに10年も日本語教師をやっていると、経験値というか、知っていることが増えるので、きちんとつめて予習しなくても、違いの説明のポイントを知っていることが増えてきます。
要は、どの国の学習者でも、どんな学習者でも、わかりにくいポイントは同じということなのでしょう。

今日は「あいだ・あいだに・うちに」の違いをもう一度説明してください、と言われ「よしよし、任せなさい」とばかりに偉そうに説明してきました。

「あいだ」と「あいだに」の違いは、わたしが心から尊敬する佐々木瑞枝先生(著書を拝読しているだけですが、心の師と呼んでいます)のご著書の中で、大変簡潔にわかりやすくご説明されていたので、「あ!そうなんだ!」すっと入ったので、ずっと印象に残っているのです。

授業のあいだ、○さんはずっと寝ている。
授業のあいだに、○さんはトイレへ行った。

これ、実際の学生の名前を使って例文を言っただけで、クラスの全員が「ああ」と言っていました。
はっきりではないものの、例文だけで何となくわかったようでした。
それから、おもむろに時間軸を書いて、「授業は○時から○時まで、長い時間です。授業は長い時間。寝ている時間も長いです。そのとき『あいだ』を使います」と簡単な説明をしただけで、勘のいい学習者が「じゃあ、『あいだに』は短い時間ですか」と言ってくれました。

そこから、「あいだ」と「あいだに」の例文をいくつか出していき、その仮説が正しいかどうか検証。納得してくれました。

「うちに」は、ちょっと毛色が違うと思ったので、別立てで説明。
定番の「晴れているうちに洗濯しよう」から、「日本にいるうちに東京タワーへ行きたい」や、ちょっとジョークを交えて「先生が来ないうちに友達の宿題をコピーしてしまおう」など、「今はできる。でもそれが終わったらできない。だから今する」というニュアンスが出る例文をこれでもかと出しました。

そうしたら、一人の女子学生が「先生!わたしは若いうちにたくさん遊びます!」と発言。
理解がアウトプットにまで達したと、大変感激しました。

最近養成講座の方でも受講生の方々に言っているのですが、説明するのではなく、気づきを与えるのって大切なんだなあと、改めて感じています。そのためには例文を作る力が必要になるのですね。
何だか、当たり前のことを、再確認させてくれたいい授業でした。


posted by 穂村香 at 20:46| Comment(0) | 中級へ行こう | 更新情報をチェックする
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